「FXで勝つには過去検証は必須」「過去検証したから勝てるようになった」
動画や書籍やTwitterで、稼いでいるトレーダーのアドバイスとしてよく耳にするのが『過去検証』です。
なるほど、過去検証すれば勝てるのか!
そう考えて、いざ実行しようとしたけど…今日はお仕事だし、明日もお仕事だし。と予定帳を見ながら後回しの日々。
やっとの思いで時間を確保して、今度こそ実行したけど…1時間かけて試せたトレードはたったの10回。
効率化するために検証ソフトも探してみたけど…今日またお仕事だし、次の休日まで検証はおあずけ。
全然検証できない!?
そう、トレードの過去検証はもの凄く時間がかかるんです。
だから、お仕事しながら、家事をこなしながら、トレードしながら、「どうやって過去検証する時間を確保しよう…」とたくさんの兼業トレーダーが同じような悩みを抱えています。
ということで、この記事では
こんな悩みを解決します!
・仕事や家事で過去検証する時間が取れない
・50回とか100回とか取引データを集められる自信がない
・過去検証でソフトを使ってるけど、もっと効率的な方法はないの?
この記事では、実際に過去検証できず悩んでいた人からDMをいただき『解決した立場』の経験を踏まえてお話しします。
本記事の執筆者
本記事の内容
・過去検証は”委託”しよう
・過去検証を委託べき理由3つ
・過去検証を委託するメリット・デメリット
・過去検証の委託先を探す方法
過去検証は委託しよう
検証は”委託”できます。
トレードで委託は聞き慣れないかもしれませんが、あなたも忙しい時は「手伝って」と頼んだことがある筈です。
餅は餅屋に。パンはパン屋に。トレードも同じで、チャート分析に特化した専門家(テクニカルアナリスト)、証券や財務などの経済に特化した専門家(証券アナリスト)と、その道に特化した専門家が存在します。
そんな中でも、検証に特化した専門家が、EA製作者(プログラマー)です。
そう、このEA製作者(プログラマー)にEAを作って検証してもらうことが、今回のテーマとなります。
過去検証を委託べき理由3つ
①検証には膨大な時間が必要
まず大前提ですが、トレードの検証は何時間掛けても終わりません。
今なお勝ち続けているトレーダーの中には、勝てるまで数ヶ月間、検証だけに費やしたと語る人がいるほど…
そんな中で、仕事も家事もトレードもしながら、検証にまで新たに時間をかけるのは、あまり現実的とは言えませんね。
簡単に時間を作れたら苦労しません…
よく成功者の話で「時間は作るもの」とありますが、仕事が繁忙期だったり子育て時期だったり、本当に時間がない人もいます。無理なものを追い求めるよりも、より現実的な別の選択肢を考えましょう。
②最初から意味のある検証はできない
意外と見落とされがちですが、実際にデータとして活かせる検証結果は、全体の最後1割程度です。
例えば30日みっちり検証したとして、実際に意味のある検証ができるのは、最後の3日間だけになります。
そもそも意味のある検証って? 無意味な検証があるの?
無意味な検証の具体的な例を3つ紹介しましょう。
・ルール外の取引結果が混じってしまう
・無意識に損失トレードを避けてしまう
・ルールの曖昧さで判断に迷ってしまう
多くのトレーダーが検証でも、「ココも取れる、ココもココも!」と手法外トレードの誘惑に駆られます。それを乗り越えると、今度は「ココは避けられる筈…」とチャートの右側をカンニングしたトレードをしてしまいます。
そして全ての問題をクリアしても、「今レンジなのかな?」「これダイバージェンスかな?」と、当初決めていたルールの裁量部分で、毎回判断がバラバラに…。
検証も実取引と同じで、最初にしっかりルールを決めても、トレード手法に慣れない内は、一つ一つの取引がブレてしまいます。検証した本人が納得いくブレのないデータを集めるには、手法練習として5倍から10倍の取引が必要です。
EA化することで、意味のある検証結果を早い段階で入手できるので、結果的に大幅な時間短縮が実現できます。
③中身に納得できる
どうせEA化するなら、そもそも市販EAを手に入れたら?
実はこの考えに、最大の落とし穴が潜んでいます。なぜ市販EAではなくEA化の委託なのか、最大の理由は…。
ここがポイント!
固定化されたEAで勝ち続けることは不可能
海外で書籍紹介されるようなシステムトレーダーでも、日々システムをアップデートさせ続けています。これは、変化に対応できない固定化された手法やEAは、相場の変化に自然淘汰され機能しなくなるからです。
つまり、固定化されたEAは勝てても、勝ち続けることはできません。
最近のEAはサポート体制がしっかりしてるし、よくアップデートされてるよ?
実はここにも罠があります。
EAは基本的に中身の売買ロジックが公開されていません。勝っている時期は問題ありませんが、いざEAが負け始めると”理由が分からない損失”を抱えることになります。
このEA、本当に勝てる…?
サポートからは「損が続く時期もあります」と返答され、しばらくすると言い訳するようにアップデートされたEAが再配布、または新規購入へ誘導されます。
最初は大丈夫と思っていたEAでも、[損失⇒アップデート]が2回3回と繰り返されれば、段々と不信感が湧いてきて当たり前ですね。
最後にはEAを手放してしまい、新しい手法、新しいEA探しの旅が始まります。
結論、EAのサポート体制やアップデート体制が整っていても、中身が分からない売買ロジックで勝ち続けるのは非常に困難です。
トレードで勝ち続けるには、売買ロジックと売買データの両方に納得する必要がありますが、ネット手法では売買データが不足し、市販EAでは売買ロジックが分かりません。
その点EA化の委託であれば、中身の売買ロジックが理解できています。過去の検証データから損失にもある程度納得できますし、より有効なアップデート案を考えられます。
過去検証を委託するメリット・デメリット
メリット1:短期間で大規模なデータが手に入る。
EA検証と裁量検証を比較すると、最大の違いはトレード数にあります。
手動で検証を行う手順は、次の5工程です。
①注文ポイントを探す
②見付けた注文ポイントに印付け
③決済ポイントを探す
④見付けた決済ポイントに印付け
⑤結果をExcelシートに記録
検証ソフトを使って手順を効率化しても、1トレードのデータ収集には1〜2分かかってしまいます。
例えば100トレードのデータを集めるなら…
効率的に進めて[1トレード1分]で計算すると…
100トレード×1分=100分
次に前章で紹介した”意味のある検証”までに必要な練習期間を、少なく見積もって[5倍]で計算すると…
100分×5=500分
つまり、100トレード検証するのに、8時間20分かかります。
ここで、世界でも有数のシステムトレーダー、[ロバート・パルド]の言葉を紹介しましょう。
【システムが機能する究極の理由は、数学的な優位性を与えてくれるからです。】
(引用:マーケットの魔術師 システムトレーダー編)
トレード手法が勝てる理由は、繰り返した結果がプラスになる確率論にあります。分かりやすく言えば、勝てると分かるまでには、沢山のトレード結果が必要になってきます。
因みに確率論でいう100トレードとは、結果を評価するには足りない数字であり、より精確に分析するなら、200や300のトレード結果が必要です。
その点EA検証であれば、EAコードさえ完成してしまえば、5分以内に数百〜数千トレードを集めることができます。つまり、より確実に勝てる根拠を揃えられるわけです。
メリット2:機械的に判断でき、改善案を見つけやすい
でも検証が一瞬で終わったら、アップデートのアイデアなんて浮かばないよ?
その通り。EA検証で手法が勝てると分かっても、改善し続けないと相場では生き残れません。
先に結論をいうと、EA検証は裁量検証よりも簡単に効果的な改善点を見付けられます。
手法の改善点を探す手順は、次の5工程です。
①損失トレードを探す
②損失トレードのチャートを確認
③損失原因・対策を模索
④対策を手法ルールに追加
⑤再度検証して効果を確認
裁量検証でも、過去のExcelシートから損失トレードを探すことは可能です。しかし、損失トレードまで過去チャートを巻き戻し、トレード前後の値動きから損失の原因を考え、更にまた別の損失トレードまで巻き戻し…非常に手間と時間がかかります。
また、苦労して10や20と損失トレードを分析しても、損失原因がバラバラで効果的な対策が思い付かないなんて日常茶飯事。運よく共通点を見つけて対策を決めても、再度検証したら効果がなかったり…
最悪なのは、対策を手法ルールに追加したことで、1トレード毎の手間が増え、効果を確かめる再検証でもまた、”意味のある検証”まで練習期間が必要です。
裁量検証、終わりが見えません…
あまり知られてませんが、EA検証であれば、ダブルクリック1つで①と②が完了します。そのため50や100トレードを一気に見直すことができ、損失の共通原因に気付きやすいです。
更にEA検証ならではの分析方法として、チャートを使ったミクロ分析だけでなく、データ全体を扱うマクロ分析が可能です。
分かりやすく言うと、参考にするトレードが500や1000と多いことから、月・曜日・時間帯ごとにトレード結果を分割しても分析に有効なデータ数が揃うので、苦手なトレードを引き算するだけで、簡単に改善ができてしまいます。
わざわざマイナス時間帯にトレードする必要がなくなるね!
マイナス時間帯が分かれば、今までトレードしていた時間が空きます。また、分割分析はデータ上で完結するので、ルールを変えたり、ルールに慣れるために練習する手間も一切かかりません。
結論、EA検証は裁量検証よりも簡単に効果的な改善点を見付けられ、分析結果によってはトレード時間自体を減らすことができます。
デメリット1:お金がかかる場合がある
え、お金かかるのッ!?
残念ながら、料金が発生する場合があります。
有名な委託サイトである『ココナラ』で調べると、プログラマーにEA化を依頼する金額は3,000円〜20,000円が相場です。更にEA検証やEAの改良もサービスとして存在し、こちらも3,000円〜10,000円が相場です。
無料でEA化を依頼する方法は、後述するYoutubeでのコメント依頼、TwitterでのDM依頼があります。
ただしEAコードの品質や検証結果の正確さを考えるなら、有料手段で依頼する方がオススメです。
お金をためらう気持ちは分かりますが、ここで依頼料とトレード損失を比較してみましょう。
トレードで数千円、数万円と損失を出しているトレーダーは多いです。しかし損失を分析し、効果的な改善策を考え出せるトレーダーは非常に少数派。「よしやるぞ!」と意気込んでも、少ないトレード結果から分析して、効果的な改善策を見つけるのは超高難易度です。
難しいだけじゃない。手間も時間もかかる…
私もなかなか反省に踏み込めず、同じトレード損失を無駄に重ねて悔しい思いをしました。
トレード損失は勉強代と言われますが、実際に勉強代として投資リターンを出せてる人は、時間に余裕がある人か、ギリギリまで時間を切り詰めて反省と改善を重ねた人達だけ。
同じだけのトレード損失を依頼する代金として考えると、多少お金がかかろうと、手法のEA化・EA検証依頼はリターンが見込める投資になります。
デメリット2:委託が難しい手法もある
実はEAにも弱点があります。EAには裁量や曖昧さが介入する余地が全くありません。
より分かりやすく言うなら、EAは水平線やトレンドラインといったライン手法、三尊やダブルトップといったチャートパターン手法、ダウ理論やエリオット波動理論といったトレーダーの経験頼りの手法が苦手です。
腕の良いプログラマーであれば、インジケータや数式を活用して再現できますが、あくまでそれは再現であり、出来上がったEAと依頼者のトレードに誤差が発生します。
実は、依頼者とプログラマーの間で手法の認識を擦り合わせる難しさは、著名な海外システムトレーダーが話題として書籍に載せる程に困難です。
この問題に対する対策は、依頼する手法のルールを中学生でも扱えるレベルまで明確化すること。
例えば「上昇トレンドの時は買い注文のみ」というルールだと、どんな時が上昇トレンドなのか、人によって判断が違いますね。これを「MAより上なら買い注文のみ」というルールに変えると、誰が見ても同じ様に判断することができます。
「以上/以下・過去●本・拡大/縮小・上向き/下向き・最高値/最安値」などの言葉を使うと、ルールを明確化できますよ
ルールの曖昧さは、そのまま手法のブレの大きさです。そしてプログラマーは曖昧さを払拭し、ルールを明確化するプロ。相談することで普段気付かない曖昧さが明るみになるので、手法の運用難易度を一気に下げることができ、ブレないトレードを実現しやすくなります。
●過去検証の委託先を探す方法
Twitter(基本無料)
自作EAを扱っているトレーダーは結構多いです。「自作EA」と検索すると、名前やプロフィール欄から、EAを作成しているトレーダーを見つけることができます。
その中でも、EA販売やEA制作サービスを紹介をしていないトレーダーが狙い目。
私もそうでしたが、EA製作者にとって、他人のトレード手法はアイデアの宝庫です。EAの作成力を鍛えたり、EAの改善案を考えるヒントを四六時中探しています。
え、こんなやり方があるんだ!
中にはアイデアを欲するあまり「戦略相談受け付けてます」と偽ってまで、手法のヒントを欲している人も…。
どうしてもお金を掛けたくない場合は、EA製作者を探してDMを送ってみるのも手段です。
Youtube(基本無料)
最近はトレード検証を主体としたYoutubeチャンネルも増えてきています。中にはコメントで手法を募集し、検証過程から結果まで動画化してくれる投稿者がいるほど…。
チャンネルを持つEA製作者は、総じてプログラマーとしての腕が良いです。コメントして運よく投稿者の目に入れば、動画のネタとしてEA作成から検証まで行ってくれます。
作成されたEAや検証結果をデータとして受け取れるかは低確率ですが、ダメ元でコメントを送ってみるのもいいですね。
ココナラ(有料)
お金はかかりますが、一番確実な手段です。
EA作成や検証は3,000円〜20,000円ほど掛かりますが、責任あるサービスとしてプロに仕事を依頼するので、金額に見合った投資リターンを得ることができます。
EA製作者の探し方も、ココナラのホームページから「EA」と検索するだけで手軽です。
基本的にEA作成と検証のサービスは分かれてますが、サービス紹介やコメント欄を見ると、EA作成から検証まで全部行ってくれる人もいます。
お金を払っていない見積もり相談から、EA化の可否やルールの曖昧部分を指摘してもらえるので、試しに相談してみるだけでもルールの穴に気付くことができます。
あまり知られてませんが、一度購入すればEA製作者側にもEAが残るので、ルール改変や追加検証を格安で請け負ってくれる可能性が高いです。
ぶっちゃけ専属プログラマーを雇っているのと同じです!
初期投資としては高くなるかもしれませんが、変わり続ける相場に対応するのに、心強いプロを味方につけることができます。敷居は高いですが、TwitterやYoutbeにはない魅力なので、挑戦してみましょう。
まとめ
そもそもEA化できたなら、EAでトレードしたら?
実は裁量と異なり、EAは維持費が掛かります。パソコンを動かし続ける電気代が月1,000円程、より上質な稼働環境を求めるならVPS代が月2,000〜3,000円。これはトレードで稼ぎ続ける上で重い足かせです。
加えてEAに任せると、相場と向き合う習慣が廃れてしまい、相場変化に気付きづらく、徐々に手法が廃れてしまいます。
3ヶ月や半年と裁量でトレードし続ければ、検証データと裁量運用の手応えから、良質な改善ヒントが見付かります。このヒント探しが、相場で生き残り続ける強力な武器です。
結論、EAに完全移行するよりも、裁量運用した方が長く相場で稼ぎ続けられます。
検証で勝ち続けるトレーダーになれる最大の理由は、機械的に繰り返せば勝てる事実を理解できるから。でも時間がないトレーダーが、裁量検証で実現するのは茨道です。
なので、
まとめ
●手法をEA化して検証してもらおう
●裁量で運用し、改善ヒントを見つけ続けよう
EA検証は時間がないと嘆くトレーダーの強い味方、EAトレーダーの専売特許ではありません。
機械的に繰り返せば勝てる事実を理解し、勝ち続けるトレーダーの切符を手に入れましょう。
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