こんな悩みを解決します!
●いざ過去検証しようとして続かなかった
●過去検証を100回200回とできる気がしない
100回とか200回とか検証できる自信がない…
上位に食い込む、初心者トレーダーあるあるでしょう。
いざ検証しても、
・思うように回数が集まらなかったり…
・途中でルールが変わって、意味のないデータが積み上がったり…
私もルールを紙に書いて、丸一日の時間を確保し、万全の準備で手法の検証に挑みましたが、手法の寄り道ばかりで何個も無意味なExcelデータを積み上げました。
今だから分かりますが、検証を1000回2000回と続けるコツは、徹底した仕組み化にあります。
そこで今回は、検証が続かない科学的な根拠と、2年以上の毎日検証を実現した私が、継続のコツを3つ紹介します。
本記事の執筆者
検証の方法ではなく、続けることに着目している時点で、既に勝ちトレーダーになる準備が9割整っています。
今まで知識だけで空回りしていた検証の方法論を、スキルとして武器に昇華させましょう。
無理せず実践できるよう、今日から始められるスモールステップも用意してますよ。
本記事の内容
・検証が続かない原因3つと科学的な根拠
・2年以上毎日検証できた継続のコツ3選
・「検証ソフトを開いて寝る」から始めよう
続かない理由3銭
”いつ”やるか決まっていない
空いた時間で一気にやろうと考えるのが、検証を続けられない人の特徴といっていいでしょう。
脳は変化を嫌うため、始める決断に一番エネルギーを使います。
そのため、”いつ”やるか事前に決まっているだけで、検証を続けられる可能性が大きく変わるのです。
例えば習慣化の中でも難しい[運動習慣]の実験で、以下のような報告があります。
【ジムを習慣化できた割合】
グループ①:ジムへ行く
⇒39%
グループ②:「月曜、水曜、金曜と週3回、仕事の前に」ジムへ行く
⇒91%
ジムへ行く”いつ”を具体的に決めただけで、52%の差が発生した。
分かりやすくいえば、脳が一番理解しやすいため、決めるだけで脳が勝手に実践してくれます。
でも毎日大きく時間はとれないよ…
安心してください。
勝ち続けている兼業トレーダーも「朝起きて1時間」や「本番前に30分」と、短い時間を決めて検証している人が多いです。
また脳は、理解できることを優先します。
【if-thenプランニング】で”いつ”を具体化した行動には、不定期な無駄時間を削り、時間を捻出する効果が強いです。
そのため「時間がない」と諦めている人でも、案外簡単に検証を習慣化できます。
三日坊主の原因は、「明日やろう」の”いつ”が具体的でないから。
”いつ”を決めない限り、検証のスタートラインにすら立てませんよ。
各トレードに”手間”が多い
検証を続けるために、ルールの明確化は超重要です。
理由はトレード判断にかかる”手間”にあります。
トレード判断の手間を減らすのって、そんなに重要なの?
意外に思われますが、手間にはお酒やタバコをやめさせるほどの効果があります。
分かりやすく説明すると、やりたいと思っている習慣を、普段の状況より20秒早くできるようにする工夫です。
このルールは、エネルギー消耗の少ない選択を好む脳の特性を活かした方法で、逆にやめる方法にも使われます。
つまり、
・ラインや分析で手間がかかる
・曖昧なパターンで判断に悩む
など、個々のトレードが20秒以上かかる場合、そもそも検証を続けること自体が高難易度です。
ルール自体は単純な筈だけど…
ルールの『単純さ』と、ルールの『明確さ』は、全くの別物です。
例えば【MAが上向きなら買い相場/下向きなら売り相場】というルールがあったとします。
しかし、下記のようなチャートの右端だと、判断に迷いますね。
全体を俯瞰すると[上向き]です。
右端ではMAが0.02pips下がっているので[下向き]です。
簡単でも曖昧なルールでは、その場で判断が必要なチャートが突発的に発生します。
判断や手順に迷い、個々のトレードに時間をかけてしまうのが、検証を続けられない根本的な原因といえるでしょう。
”ゴール”設定を間違えている
検証って、性能を確かめたり、改良することが目的でしょう!?
一番見逃されがちで、かつ最大の原因です。
後述しますが、大半の人は”改良”をゴールに検証します。
データを”収集”する工程と、方法を”改良”する工程を分けないから、検証が長続きしません。
工程が分けられない原因は、トレードの”自由”にあります。
自由とゴールが、どう関係するの?
検証中は、思いついたトレードを実行するまで、障壁が一切ありません。
つまり(効果の良し悪しに関係なく)、すぐ改良できます。
そして目の前に「その改良が効果的だ」という揺るがない証拠まであります。
そう、『20秒ルール』で実行しやすい環境と、具体的なゴールが整っているのです。
だから検証で改良をゴール設定すると、脳は楽な最短ルートを好むため、「思いついた改良を使おう」と指令を出し続けてきます。
これが、検証が横道に逸れるメカニズムです。
人間が工夫を抜きに欲求へあらがえる確率は50%。続かなくて当然だったのかぁ…
検証を継続するコツ3選
ここまで検証が続かない理由を3つ紹介しました。
検証が続かない原因の多くは、科学的に証明が可能です。
逆を言えば、より効果的な対策も、すでに分かっています。
ここからは、具体的な対策を、実際に2年以上毎日検証を継続できた経験をもとに紹介します。
コツ1:ながらをテーマにしたルール化
結論、耳勉強や耳娯楽と並行できるほど、単純で明確なルールを作りましょう。
理由は3つあります。
・データの収集以外に頭を使わせない
・トータル負けから分解する改良前提
・習慣化の敵である飽きを排除する
よく「ルールを明確化しよう」とアドバイスされます。
そこでオススメなのが、耳勉強と耳娯楽を前提とした検証ルールの設定です。
耳を使った作業は、単純作業を邪魔しないまま、脳の処理をほどよく圧迫します。
つまり、検証中に改良案が浮かぶ可能性を下げてくれます。
せっかく浮かんだチャンスを捨てるの!?
あえて強く断言します。
容赦なく捨ててくださいッ!
捨てるのが難しいなら、スクショやメモ帳を活用し、保留する工夫を徹底しましょう。
分析中の気付きは宝でも、収集中の気付きは毒です。
繰り返しになりますが、データを”収集”する工程と、方法を”改良”する工程を分けないから、検証が長続きしません。
トータルで負けた結果を”分解する”前提なのも、脳の『ストーリーで物事を考える』特性を利用し、収集が改良へ繋がる手順をイメージしやすくすることで、脳を納得させるためです。
徹底的に分離するのがコツなんだね
具体的にどんな手法を検証してたの?
私の場合、下記のようなルールを、AudibleやYoutubeで耳勉強しながら検証してました。
①17時59分の終値がエンベロープ以上なら買い注文/以下なら売り注文・決済は+20pips/-10pips
②RSIが30以下で買い/RSIが70以上で売り・9時~23時までドテン売買・終値判断で始値注文決済・22時59の足確定で強制決済
検証では同じこと繰り返すため、退屈さが敵になります。検証だけに取り組んでいると、退屈の発散先はトレードしかありません。
1000回2000回と繰り返すのであれば、退屈さの逃げ道が必須です。
耳勉強や耳娯楽はバリエーションが豊富。
ルールを作る際は、ながらトレードができることをテーマに作りましょう。
コツ2:報酬設定は回数・ルール通り
ご褒美を設定して、ルール通り・回数に”意味”を持たせましょう。
ご褒美って、ありきたりな…
報酬設定はモチベーション管理として有名ですね。
しかし検証では目的が異なります。
その目的は【ゴールの変更】
三大欲求が満たされている状態だと、脳の報酬系は『自尊心』がデフォルト状態です。
トレードでルール違反してしまう思考回路を深掘ると、次の通り。
何も工夫しない状態だと、自尊心から”改良”をゴールに検証してしまいます。
繰り返しますが、脳は楽な最短ルートを好むため、検証で改良をゴール設定すると、「思いついた改良を使おう」と検証が横道に逸れるメカニズムが発生します。
歯に衣着せぬ言い方をすれば、
検証すたびに報酬なんて作れないよ…
安心してください。
脳のバグを使えば、簡単に報酬を用意できます。
ハーバード大学の心理学研究を紹介しましょう。
【実験:誰かが使おうとしたコピー機へ割り込む】
パターン①:「先にコピー機を使わせてください」(要求のみ)
パターン②:「コピーを取りたいので、先にコピー機を使わせてください」(理由になってない理由+要求)
パターン③:「急いでいるので、先にコピー機を使わせてください」(理由+要求)
要求が通った確率は、①60%、②93%、③94%。
分かりやすくまとめると、
人間は理由があれば納得し、理由の内容は関係ない
つまり心理学上、回数・ルール通り続けた報酬が存在すればよく、報酬の内容は極限まで軽くしても問題ありません。
例えば私の場合、次の通り報酬設定してました。
・ルール通り20回検証したら、ドリンクバーを1杯
・ルール通り30回検証したら、カラオケで1曲歌う
・ルール通り50回検証したら、Youtube再生リストの次動画へ移る
報酬設定とは、脳のバグを利用し、[改良]から[回数・ルール通り]へゴールを変更する手段。
「ルール通り100回やろう」と目標だけ作っても、脳は納得しません。
「ルール通り●●回検証したら××する」と、脳が分かりやすい【if-thenプランニング】の型へ落とし込みましょう。
コツ3:検証ソフトは開きっぱなし
20秒以内に検証を開始できる環境を作りましょう。
脳は変化を嫌うため、始める決断に一番エネルギーを使います。
例えば下記のような意思決定ですら、脳は疲れます。
・PCの電源を入れる
・検証ソフト/アプリを立ち上げ
そんなことでも疲れるの!?
意思決定の労力について、ミネソタ大学とフロリダ州立大学が合同研究を行っています。
【実験:絶対に解けないパズルへ挑戦してもらい、ギブアップまでの時間を測定】
グループ①:解くパズルを出題した
⇒12分30秒
グループ②:解くパズルを選ばせた
⇒9分
[選ぶ]という行動を挟むだけで、集中力の持続には1/4以上も差が開きました。
つまり、すぐに検証できる環境を作ることが、検証を続けるコツです。
私の場合、検証を続けるために下記の通り工夫してます。
・スマホは検証アプリを開いた状態で画面閉じ
・パソコンは検証ソフトとExcelを立ち上げた状態で出社/就寝
パソコンつけっぱなしだと、電気代が心配…
サブスクで検証ソフトを購入するよりも破格のコスパですよ。
理想形は、検証の開始時間から1分以内に、1つ目のトレードサンプルが収集できる環境。
まずは、部屋に入って20秒以内に検証を開始できる環境を目指しましょう。
まとめ:始めやすい環境を作ろう
今回のポイント
・”収集”と”改良”の工程を徹底的に分ける
・検証する手間を20秒以内まで圧縮する
・回数/ルール通りの検証に報酬を設定する
結局何から始めたらいいの?
【検証ソフトを開いて寝る】がオススメです。
理由は下記の2つ。
・「20秒以内取り組める」行動が習慣化されやすい
(20秒ルール)
・「朝起きて●●する」行動が習慣化されやすい
(if-thenプランニング)
検証を1000回2000回と繰り返すコツは、脳の仕組みを利用した習慣化。
つまり朝起きて20秒以内に検証できる環境作りが、検証の第一歩となります。
ぜひ【検証ソフトを開いて寝る】から始め、今まで知識だけで空回りしていた検証の方法論を、スキルとして武器に昇華させてください。
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