こんな悩みを解決します!
●損失でもブレないメンタルを作りたい!
●色々と考えが巡って損切りができない!
トレードメンタルの重要性について語らないプロはいないでしょう。
トレード名著[規律とトレーダー]でも次の通り書かれています。
マーク・ダグラス[規律とトレーダー]
しかし有料コンテンツでも「Lotを下げろ」「損切りを守れ」「繰り返して慣れろ」など効果が立証されてない方法論で溢れているのが実情です。
え、効果がないの!?
残念ながら、プロトレーダーもコンテンツ制作者も、心理学の専門家ではありません。
だからどうしても通説の焼き直しになるのですね。
そこで今回は、科学根拠やカウンセラーの知見にのっとった、トレード損失への不安を最短で乗り越える方法を紹介します。
本記事の執筆者
もう効果のない通説に惑わされる必要はありません。
メンタル勉強を通説に頼って、分かった気になっている人たちをごぼう抜きしましょう。
専門用語も分かりやすく解説しています。準備不要で今日から実践できる内容に絞りました。
本記事の内容
・損失の不安が乗り越えられないほど膨張する原因
・損失の不安を最短で乗り越える心理的な鉄則
・より効果的に不安を乗り越える具体的手段3選
損失の不安が過剰に膨らむ原理と対策
動かないから不安になる
結論、正しい”待つ”トレードが、不安を膨らませる最大原因です。
いやいや、トレードは待つことが大事でしょう!?
正解です。”待つ”トレード自体は、勝ち続けるために欠かせない姿勢でしょう。
ここでの問題は、どの様にして”待つ”を実現するかです。
原始時代を色濃く残す脳には、次のようなプログラムが備わっています。
・動かない:悩む時間
・動いてる:集中する時間
正しい”待つ”トレード中は、常に<悩む時間>であり、無限に不安を妄想/膨張させてしまうのですね。
座りっぱなしの心理影響を調べた、アメリカとイギリスの研究によると、約5649歩/日を切ると不安症状が現れやすくなるそうです。
トレード中は座っている人が9割。
動かず座りながら”待つ”トレードを実現していては、不安が膨らんで乗り越えられなくなっても不思議ではありませんね。
不安を妄想してるつもりなんてないよ…
不安の妄想について、自覚があるほうが珍しいでしょう。
脳科学者によると、不安妄想に必要とされる時間は0.1秒未満だそうです。
例えば眼の前にボールが飛んできた際、脳は瞬時に『避ける/キャッチする』を判断します。避けるを選択した場合は避けることへ集中しますが、脳は「どうして避けようと思ったんだろう?」とは微塵も考えてません。
不安の思考回路も似ており、動かない時間と認識した脳は、瞬時に『悩む』のスイッチを入れます。
不安がトリガーとなってルール以外の分析が始まることに、心当たりがあるトレーダーも多いでしょう。しかもこの時に「何で分析してるんだろう?」と自覚できてる人は非常に少数派ですね。
以上が不安を無尽蔵に増幅させ、乗り越えられなくなってしまう最大の原因です。
根拠のない直感頼りの工夫
結論、低Lotで運用しても、心理的負担は変わりません。
いや変わるでしょ! 0.01Lotと1Lotだとリスクも100倍だよ!?
実は脳は、直接的に[Lot数=負担]と認識することができません。
脳進化の視点立つと、理解しやすいでしょう。
・ホモサピエンスとして進化:約30万年
・最古の貨幣制度:紀元前670年頃
脳は約2700年しか金銭価値に触れておらず、金銭的不安は脳進化へ1%も携われてないんです。
生活や環境からイメージすると、頷ける人も多い筈です。
・損失が続いて家を失うかもしれない
・家族に損がバレて関係が悪化するかもしれない
・明日から何も食べられなくなるかもしれない
生活イベントによる心理ストレスを調査した研究では、[100万以下の借金]という数値上のストレスより、環境変化が直接イメージされる[引っ越し]や[病気/ケガ]のほうが高ストレスを記録しました。
前述した通り、脳には不安を妄想して膨らませる特性があります。
でも低Lotだと精神鍛錬にならない!
それにプロだって適正Lotとアドバイスするよ?
脳が[Lot数=負担]と認識できない以上、影響が整理されてない状態では、0.01Lotでも、海外口座の全力ハイレバでも、心理的負担に差はありません。
事実、トータル1万円の損失でも、未来の損失まで妄想し「人生終わった…」と絶望する人は少なくありません。
産業カウンセラーの実体験でも、たった一人に嫌われたことから「職場全員から嫌われてます」と相談されるケースがよく紹介されてます。
逆にトレード書籍の失敗談では、数千万単位の損失でも、影響が自覚されないうちに借金で追加入金し、本格破産まで追い込まれる話が数多く載ってますね。
プロが語る適正Lotとは、心理的負担の適正ではなく、影響まで明確化されたLot数のことを示します。
無闇にLotを下げたところで、また上げたところで、脳視点の負担に大差はありませんよ。
最強の対策はIf-thenプランニング
ここまでトレードの損失不安が乗り越えられなくなる原理について紹介しました。
原理をまとめると、
・動かないから不安が膨らむ
・影響が分からないと数字(Lot数)は無関係
つまり逆を言えば、損の影響が整理できて、すぐに動けば、不安は膨らまず、スパッと簡単に乗り越えられてしまうのです。
損の影響…資金管理しろってこと?
もちろん資金管理は大切です。
しかし即効性に乏しく、ぶっちゃけ準備も面倒でしょう。
認知科学を紐解くと、様々な影響は『●●なら××』という脳が最も理解しやすい定型文によって解釈されます。
これを応用した心理テクニックが、『●●したら××』で行動計画を作る【If-thenプランニング】です。
原理は非常に簡単で、●●(損失)という出来事について、××(行動)という疑似影響を計画するだけ。
イメージしやすいよう例を挙げると、次の通りです。
・3連敗したら、チャートを閉じて5秒数える
・ルール外の分析をしたら、ルールを3回唱える
・損切りしたら、1分以内にネコ動画を再生
原理は分かったけど、効果あるの?
If-thenプランニングの心理効果は、研究の域を超えて、既に実践応用の段階まで開拓されてます。
気持ちが落ち込みやすい内向的な人を対象としたIf-thenプランニングの実験では、薬物処置よりも3倍以上の効果量を発揮したそうです。
例えばダイエットコンサルでも、ルールを守れず自暴自棄になることを防ぐため、「もしお菓子を食べてしまったら〜〜」など失敗時のIf-thenプランニングがよく定められますね。
トレードで効果的な『××』が分からないから苦労してるの!
不安が膨らむ原因である<ただ待つ><動かない>さえ避けられればいいので、実は『××(行動)』にこだわらなくとも、一定の効果が見込めます。
心理実験でも、「ONE」と単語を連呼しただけで、不安を妄想する脳機能の停止が認められました。
例えば『損失を出したら5回ダンベルを持ち上げる』でも、不安の膨張は止められます。あとは時間によって、脳が勝手に不安を乗り越えてくれるでしょう。
損失不安の膨らみを最小限に抑えるため、If-thenプランニングですぐ行動へ移しましょう。
科学的に根拠のある損失の乗り越え方3選
動かないと不安は無限に膨張します。
繰り返しますが、If-thenプランニングで不安が膨らむ前に行動を開始することが、最短で不安を乗り越える鉄則です。
行動の良否に関係なく効果がありますが、もし科学立証された行動をとれるなら、まさに鬼に金棒でしょう。
そこで今回は、準備や時間を比較的必要としない行動工夫について3つ紹介します。
工夫①喋り倒す(言語化)
不安の払拭で、不動の最強手段が【言語化】です。
脳は「漠然として捉えどころがない」情報ほど警戒します。つまり<曖昧さ>が材料となり、脳が不安を妄想して膨張させるのですね。
そこで目や耳など外側から理解できる形に置き直すと、不安は「目に見えるもの」と認識され、脳の警戒心を大きく抑えることができます。
カウンセリングでも、不安の言語化は最低限、あらゆる技法の出発点とされるテクニックです。
特に有名な例は、アメリカの社会心理学者[ジェームズ・ペネベイカー]が提唱したエクスプレッシブ・ライティング(筆記表現法)でしょう。
PTSDの治療のために考案され、睡眠改善、うつ症状改善、幸福度アップなど、心理学界隈でも最も盛んに研究されている技法の一つです。
やり方も<思考を紙に書きだす>と非常にシンプル。使わない手はありませんね。
紙に書くとか面倒くさい…
喋り倒すにしても、トレードは一人だから相手がいないよ〜
極端に追い詰められていないなら、むしろ一人で自己解決できる能力を身につけるのが吉です。
ミソは言語化。
紙も相手も必要なく「独り言」でも効果が認められてます。
例えばアヒルのおもちゃに話しかける『ラバーダッキング法』は有名ですね。
また「憤怒・慟哭・呆然」など、感情表現のボキャブラリーを増やして適切に言語化するだけでも、客観視を取り戻す効果があります。
言語化は「これからどうするか」で終えると効果的ですが、そもそも言語化自体に大きな効果が認められてます。
ラバーダッキング法のために、トレードスペースにお気に入りのキャラクターフィギアを置くことも、立派な工夫ですよ。
工夫②歩く
歩くこと自体に、ポジティブ心理を助ける効果があります。
脳科学的に説明すると、歩くことで幸福ホルモン<セロトニン>の分泌量が増すため、座って悩むよりも圧倒的に不安が悪化しにくくなります。
例えば心理調査でも、1日12時間以上座っている人は、6時間未満の人と比較し、メンタルヘルスの悪い人が3倍以上多かったという調査結果があるほどです。
カウンセリングでも、煮詰まることを察した時は「ちょっと体を動かしましょうか」と提案するカウンセラーは珍しくありません。
運動愛好家のトレーダーが多い理由も、幸福ホルモン<セロトニン>を有効活用して不安を悪化させない、科学根拠に基づいた工夫だからです。
歩き回るスペースがない!
実は「立つ」や「足踏み」でも、しっかりポジティブ効果が確認されてます。
私も部屋で足踏みしながら、検証結果を調べたり、ブログ構成を練ったりしてます。
ロダンのブロンズ像[考える人]のように、座って悩むことが、不安を膨らませる主原因です。
「損切りしたら5分間足踏み」と決めるだけでも、不安に惑わされないトレードが十分実現できますよ。
工夫③他のことに没頭する
最終手段、テトリスなど頭を全力で使う軽作業に没頭し、一時的に不安を忘れましょう。
脳は「~~してはいけない」など否定形を理解できないため、自力で不安妄想を止めることはできません。
しかし、不安を妄想する脳機能を別方向へ向けることで、意図的に不安の膨張を止めることができます。
ウプサラ大学の心理教授が行った実験を紹介しましょう。
【被験者全員へトラウマ的な映像を視聴させる】
⇒グループ1:視聴から数時間以内にテトリスをプレイ。
⇒グループ2:対策なし。
グループ2と比較し、グループ1はトラウマを思い返す回数が減少。
テトリスを始めとした[没頭]と[ストレス]の関係は、他にもオックスフォード大学やカリフォルニア大学で関連研究が行われ、次の通り報告されています。
脳に高負荷をかける軽作業から『フロー状態』へ入ることで、不安が和らぎ理性的な記憶形成に役立つ。
テトリスならスマホアプリで無料配布されてるため、工夫次第では損切りから10秒以内に始められますね。
鉄は熱いうちに打てって言うでしょ!
記憶が新鮮なうちに反省したい!
「喋り倒す」や「歩く」と異なり、5分でも10分でも<時間が必要>という事実にデメリットを感じる人は多いでしょう。
しかし、熱々の損失を工夫なしに手掛けても、火傷するだけです。
マーク・ダグラス[ゾーン最終章]
カウンセラー視点でも、損失について第一印象『どう捉えるか』が非常に大事。後から捉え方を見直すのは非常に困難です。
5分でも時間を置くことで、感情を排除した視点から損失を客観視でき、冷静に乗り越えられますよ。
まとめ
今回のポイント
・トレード損失の不安が乗り越えられない理由は、”待つ”トレードで脳が不安を膨張させるから。
・”動く”ことで、不安の膨張は止めることができる。
・科学立証された3つの行動で、効果的に不安を乗り越えよう。
「プロが言ったから」という頼りない根拠だけで、メンタルを熟知したつもりになってる人は多いでしょう。
先述した通り、プロトレーダーもコンテンツ制作者も、心理学の専門家ではありません。トレード関連で発信されるメンタル対策を深掘ると、むしろ逆効果になる工夫も山ほど見つかります。
また逆にトレード以外からも心理知識を取り入れることで、何百人何千人を対象とした高水準の研究を味方につけることが可能です。
今回は損失や損切りなど『即効性が問われる不安』に向けて、すぐ取り組める心理テクニックに絞って紹介しました。
もう通説から意味のない対策に踊らされる必要はありません。
ぜひ学術研究を味方につけて、通説にすがるトレーダーたちをごぼう抜きしてください。
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